
WEB広告基本
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【ROAS vs ROI】どっちを見るべき?WEB広告の効果測定に必要な視点

ROASとROIの基本をわかりやすく解説
ROAS(Return On Ad Spend)とは?
ROASは「広告費に対して、どれだけ売上を上げたか」を示す指標です。計算式は以下の通りです。
ROAS(%)= 売上 ÷ 広告費 × 100
ROAS = 50万円 ÷ 10万円 × 100 = 500%
このように、ROASは広告費の効率性を示し、短期的な広告成果を評価するのに適しています。
ECサイトや予約型ビジネスなど、即効性を重視する場面でよく使われます。
ROI(Return On Investment)とは?
ROIは「総投資に対して、どれだけ利益を得たか」を示す指標です。計算式は以下の通りです。
ROI(%)=(利益 ÷ 投資額)× 100
売上が50万円、原価が30万円なら利益は20万円。
ROI = 20万円 ÷ 17万円 × 100 ≒ 117.6%
ROIは事業全体の収益性を判断する指標で、経営判断にも使われます。
両者の違いを数字で比較してみよう
項目 | ケースA | ケースB |
---|---|---|
売上 |
50万円 |
30万円 |
広告費 |
10万円 |
5万円 |
その他のコスト |
5万円 |
20万円 |
利益(売上−原価) |
20万円 |
10万円 |
ROASで比較:
A:50万 ÷ 10万 × 100=500%
B:30万 ÷ 5万 × 100=600%
ROIで比較:
A:20万 ÷ 15万 × 100=133.3%
B:10万 ÷ 25万 × 100=40%
ROASだけで判断せず、ROIも併せて確認することが重要です。
WEB広告におけるROASとROIの使い分け方
ROASが適しているケース(短期的な広告評価)
ROASは「広告費に対してどれだけ売上があったか」を示すため、短期的な広告キャンペーンの評価に最適です。
たとえば、期間限定セールやイベント集客など、即効性が求められる施策ではROASの高さが重視されます。
ROAS=40万円 ÷ 10万円 × 100=400%
このように高いROASは、広告効果が十分に発揮されていると判断できます。
特にECサイトやクーポン付きのLINE広告、Meta広告では、反応を素早く確認するための重要な指標となります。
ROIが適しているケース(経営視点での投資判断)
ROIは広告費だけでなく、LP制作費や人件費なども含めた「総投資に対する利益」を測るため、中長期的な事業判断に適しています。
例:
広告費:10万円
LP制作費:15万円
スタッフ工数:5万円
売上:60万円
原価:35万円
→ 利益は25万円、総投資額は30万円
ROI=25万円 ÷ 30万円 × 100=83.3%
「売上」だけでなく「利益」を重視する場面ではROIを優先するべきです。
目的別に見るべき指標は変わる
目的 | 適した指標 | 理由 |
---|---|---|
売上を最大化したい |
ROAS |
短期的に売上が見える |
事業全体の収益性を評価 |
ROI |
人件費・原価も含めて判断 |
広告施策の効率改善 |
両方 |
売上と利益を総合的に評価 |
目的に応じた適切な指標を使い分けることで、無駄な広告費を削減し、効果的な施策を実現できます。
中小企業が失敗しないための指標の見極め方
広告費だけでなく「人件費」「LP制作費」も含めて考える
中小企業では広告費を抑えていても、実際の運用では「見えないコスト」が多く発生します。
たとえば、社内スタッフが広告運用に週10時間かけていれば、それも人件費として計算すべきです。
また、キャンペーンに合わせたLP(ランディングページ)の制作費も、広告施策の投資に含める必要があります。
例:
広告費:5万円
LP制作費:8万円
スタッフ工数:週10時間 × 時給2,000円 × 4週 = 8万円
→ 総コストは21万円
広告成果を正しく評価するためには、表面的な広告費だけでなく、関連するコスト全体を把握することが重要です。
指標がズレていると、施策の最適化もズレる
広告運用において、見るべき指標を誤ると施策そのものが間違った方向に進むリスクがあります。
たとえば、「ROASが高い=成功」と判断し広告費を増やした結果、実際にはLP制作費や運用工数がかさみ、ROIは悪化し赤字になることもあります。
このように、「広告効果が良い=ビジネスが成功している」とは限らない点に注意が必要です。
見込み事例:ROASは良好だったがROIは赤字だったケース
項目 | 数値 |
---|---|
売上 |
80万円 |
広告費 |
10万円 |
原価 |
40万円 |
LP制作費 |
10万円 |
スタッフ対応コスト |
10万円 |
【ROAS】
80万円 ÷ 10万円 × 100 = 800%
→ 一見すると非常に良好な広告成果
【ROI】
利益 = 80万円 − 40万円 − 10万円(LP)− 10万円(人件費)= 20万円
ROI = 20万円 ÷ 30万円 × 100 = 66.6%
「何にいくらコストがかかっているか」を明確にし、正確な費用対効果を把握することが重要です。
まとめ|ROASとROI、両方を把握することが最適解
どちらか一方だけでは判断を誤る可能性も
ROASは「広告費に対する売上の効率」を示す指標で、短期的な広告成果を評価するのに適しています。
一方、ROIは「総投資に対する利益率」を示し、経営全体の視点で収益性を判断するために欠かせません。
たとえば、ROASが高いからといって広告費を増やすと、人件費や制作コストといった隠れた経費を見落とし、結果的に利益が圧迫されることもあります。
逆にROIだけを見ていると、広告運用の改善ポイントに気付けず、成長機会を逃すリスクもあります。
片方の指標だけに頼るのではなく、ROASとROIの両方を確認することで、施策全体のパフォーマンスを正確に把握できます。
社内での指標共有に統一基準を持つことが重要
特に中小企業では、経営者と広告担当者で見るべき指標がズレることが多くあります。
たとえば、広告担当者は「ROASが300%」と報告していても、経営者がROIを確認すると赤字だった、というケースも少なくありません。
こうした認識の違いを防ぐためには、
・ROASは広告施策の効率
・ROIは事業全体の収益性
という役割を明確に分け、社内で統一した評価基準を設定することが重要です。
KPI設定時に「ROASとROIの両方を確認する」ことをルール化することで、現場と経営層の認識を揃えることができます。
まずは小規模な広告で検証・数値の見える化を
最初から大きな広告予算を投入するのではなく、月5万〜10万円程度の小規模な広告キャンペーンからスタートし、ROASとROIを同時に確認することをおすすめします。
以下のように一覧で数値を整理すると、改善点が明確になります。
指標 | 結果 | コメント |
---|---|---|
ROAS |
400% |
広告効果は良好 |
ROI |
70% |
人件費やLP制作費で利益が圧迫 |
改善方針 |
– LP改善 – 工数削減 |
ROIを向上させ利益率を改善 |
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