
リターゲティング広告
WEB TANOMOOO
【実践ガイド】リターゲティング広告の成果を引き上げる設定・活用テクニック集

リターゲティング広告とは?概要と仕組みを簡単におさらい
タグ・クッキー・ピクセルの基本動作
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪れたユーザーに対して再訪問を促す広告配信の手法です。
Google広告やMeta広告では、タグやピクセルを自社サイトに設置することで、ユーザーの行動履歴を記録し、広告配信対象としてリスト化できます。
たとえば「商品ページを見たが購入しなかったユーザー」や「資料請求フォームに進んだが完了しなかったユーザー」に対して、後日適切な広告を表示し、離脱したユーザーの再訪問・再転換を促します。
リターゲティングとリマーケティングの違いも整理
・リターゲティング:Googleディスプレイネットワーク(GDN)やFacebook広告などで、バナーや動画などの広告を通じて再アプローチする手法
・リマーケティング:メールやダイレクトメール(DM)なども含めた広義の再アプローチ手法
本記事では、ディスプレイ広告やSNS広告などの「リターゲティング配信」にフォーカスし、成果を高めるための設定方法や運用テクニックを紹介します。
ケース別に見る!リターゲティング広告の「タグ設置 × リスト設計 × 配信シナリオ」
リターゲティング広告は「一度サイトを訪れたユーザー」に再度アプローチする広告手法ですが、成果を出すには単に広告を出すだけでなく、タグの設置場所、ユーザーリストの設計、そして配信のシナリオまでをセットで考える必要があります。
この章では、代表的な活用シーンごとに、「どこにタグを設置し」「どのような条件でリストを作成し」「どの媒体でどう配信すべきか」までを具体的に解説します。
ECサイト|カート離脱者への再アプローチ設計
想定ユーザー:商品をカートに入れたものの購入に至っていないユーザー
タグ設置
・/cart ページにリターゲティングタグを設置
・/thankyou ページにコンバージョンタグを設置(購入完了者は除外)
リスト設計(例:Google広告)
・条件:/cart に訪問し、/thankyou に未訪問
・リスト名例:「カート離脱ユーザー」
配信内容・媒体
・訴求文:「カートの商品、まだお悩みですか?今なら10%OFF&送料無料!」・媒体:Googleディスプレイ広告、Meta広告(Facebook/Instagram)
・フォーマット:DPA、カルーセル広告(商品を並べて表示)
地域サービス|店舗ページ訪問者への再訴求
想定ユーザー:地域ごとのサービス紹介ページを訪問したが予約や問い合わせをしていないユーザー
タグ設置
・/service-area/〇〇/ などの店舗紹介ページにタグを設置
・/thanks など予約完了ページにCVタグを設置
リスト設計
・条件:該当エリアページ訪問 + /thanks 未訪問
・リスト名例:「新宿店舗ページ訪問者(未CV)」
配信内容・媒体
・訴求文:「【〇〇駅チカ】体験レッスン無料キャンペーン実施中!」・媒体:LINE広告、Google広告(検索連動×リマーケ併用)
・フォーマット:タイムライン広告、レスポンシブ広告
BtoB|ホワイトペーパーDL後のリード育成
想定ユーザー:ホワイトペーパーをDLしたが商談には進んでいないユーザー
タグ設置
・/dl/thanks にCVタグ設置で「DL完了」記録
・サイト全体にグローバルタグ設置でユーザーの他の行動も取得
リスト設計
・条件:/dl/thanks 訪問ユーザー
・リスト名例:「資料DLユーザー」
・媒体:LinkedIn広告、Googleディスプレイ広告
・フォーマット:カルーセル広告(事例紹介)、動画広告(ウェビナー案内)
既存顧客|アップセル・再購入を促進するリターゲティング
想定ユーザー:過去に購入・問い合わせ・登録をした既存顧客
タグ設置
購入完了ページ(/thankyou)にCVタグ
CRMや広告ツールと連携し、定期的にリストを更新(理想)
リスト設計
・条件:CVタグ発火後〇日経過ユーザー(30日、60日などで分割)
・リスト名例:「購入後30日ユーザー」
配信内容・媒体
・訴求文:「【会員限定】人気の〇〇が新登場!今ならレビュー投稿で特典プレゼント」
・媒体:Instagram(ストーリーズ)、Facebook広告(DPA)
・フォーマット:レビュー画像付き広告、ストーリーズ広告(縦型)
成果を左右する!タグ設置とターゲットリストの設計ガイド
ここが不正確だと、適切なユーザーに広告が届かず、配信精度が下がるだけでなく、効果測定すらできなくなってしまいます。
この章では、正しいタグの設置方法と、ユーザー行動に基づくリストの作成・活用方法を解説します。
ピクセルやタグの正確な設置方法
Step1|媒体ごとのタグを取得する
・Google広告:グローバルサイトタグ(gtag.js)やGoogleタグマネージャー(GTM)経由で設置
・Facebook広告:Metaピクセル(旧Facebookピクセル)をビジネスマネージャーから取得
Step2|全ページ or 特定ページに埋め込む
・全体訪問者を記録するなら <head>内に全ページ共通で設置
・特定ページだけにタグを埋め込みたい場合は、条件を満たすURLにだけ挿入(例:商品詳細ページやカートページ)
Step3|タグが正常に動作しているか確認する
・Google Tag Assistant、Meta Pixel Helper などの公式ツールで確認・実際のサイトアクセス後、発火イベントが検知されるかをチェック
ユーザー行動に基づいたリスト設計の考え方
リストは、ユーザーの行動ステージ別に分類することで、広告配信内容をより適切に出し分けられます。
行動パターン | リスト条件例 | 配信例 |
---|---|---|
商品ページ閲覧者 |
URLに「/item/」を含むユーザー |
人気商品ランキングを訴求 |
カート追加 → 未購入者 |
「/cart」あり +「/thankyou」なし |
クーポン訴求、限定オファーなど |
フォーム訪問 → 未送信者 |
「/contact」あり+コンバージョンタグ未発火 |
無料相談案内、導入事例の紹介 |
購入・登録済みユーザー |
コンバージョンタグが発火したユーザー |
リピート訴求、アップセル訴求 |
ポイント
・「すべての訪問者に同じ広告を出す」のではなく、行動レベルでリストを分割するのが基本です・Google広告やYahoo!広告では、広告グループごとにリストを割り当てて出し分けが可能です
リストの粒度と精度が広告成果に直結する
「とりあえずサイト訪問者全員に広告を出す」だけでは、反応率が頭打ちになります。
例えば以下のように行動条件を細かく設定したリストを用意すると、2倍以上のCVR差が出るケースもあります。
・3回以上訪問したユーザー
・滞在時間が30秒以上
・直帰せずに2ページ以上閲覧したユーザー
・お気に入りに追加した商品ページを再訪問したユーザー など
リストは「少数でも確度が高い層」に絞ってこそ、広告費を無駄にせず成果が見える運用になります。
クリックされる広告を作る!クリエイティブと配信タイミングの最適化
リターゲティング広告では、「一度訪問したユーザーに再び広告を見せる」ことが前提ですが、何度見せても刺さらない広告では効果が出ません。
ユーザーの関心度や行動フェーズに合わせて、ビジュアル訴求・配信タイミング・デバイス最適化を行うことで、クリック率とCVRの両方が向上します。
この章では、成果を高めるための広告クリエイティブ設計と配信タイミングの考え方を解説します。
成果を引き出すクリエイティブ設計のコツ
- キャッチコピー
- 「今だけ限定!」「送料無料」「特典付き」などの緊急性・メリットを冒頭に
- CTA(行動喚起)は具体的に:「今すぐ申し込む」「詳細を見る」など - ビジュアル
- ブランドイメージと一貫性のある配色・トーンで統一
- 特にモバイルでは「一瞬で理解できる構成」が鍵(大きめの文字・簡潔な構図) - パーソナライズ
- 「あなたが見た商品がセール中」など、行動履歴に合わせた訴求が効果的
- DPA(ダイナミック商品広告)やカルーセル広告と相性◎
リターゲティング配信のタイミング設計
短期施策(訪問後1〜3日以内)
- 購入意欲が高いタイミングを逃さず配信
- 例:「本日中のご購入で送料無料」
中〜長期施策(訪問後1〜2週間)
- 高単価商材や検討期間の長いBtoB商材などに有効
- 例:「比較検討中の方へ。成功事例をお送りします」
補足
媒体ごとにCookie保持期間が異なるため、あらかじめ上限を確認しましょう- 例:Google広告は最大540日、Meta広告は最大180日まで配信可能
デバイスごとの最適表示で反応率アップ
デバイス | 最適化のポイント | 有効な媒体・フォーマット |
---|---|---|
モバイル |
CTAを親指で押しやすい位置に配置。縦長デザインが有効 |
Instagramストーリーズ、LINE広告 |
デスクトップ |
情報量の多いLPや導線を意識したレイアウトが効果的 |
Googleディスプレイ、LinkedIn広告 |
フリークエンシーキャップの重要性
リターゲティング広告は接触回数を増やせる反面、過剰な表示は逆効果です。
「しつこい」「監視されているようで不快」といった印象を持たれないように、1ユーザーあたりの広告表示回数には制限を設けましょう。
おすすめ設定値の目安
・1日あたり:1〜3回
・1週間あたり:5〜10回程度
媒体ごとに上限の調整が可能なため、適切な接触頻度の設計が重要です。
数字で成果を最大化!リターゲティング広告の分析と改善アクション
広告が想定通りに機能しているかを可視化し、課題がある部分を的確に調整することで、CTR・CVR・CPAの改善はもちろん、広告全体の費用対効果(ROAS)も大きく向上します。
この章では、リターゲティング広告で押さえておくべき主要な指標と、改善アクションの進め方を解説します。
チェックすべき主要指標
指標 | 意味と活用シーン |
---|---|
CTR(クリック率) |
広告の表示数に対するクリック数の割合。数値が低い場合は、クリエイティブの訴求力不足やターゲティングの精度に課題がある可能性が高い。 |
CVR(コンバージョン率) |
広告をクリックしたユーザーのうち、実際に成果(購入・問い合わせなど)に至った割合。LPの内容や導線が影響。 |
CPA(獲得単価) |
1件の成果を得るのにかかった広告コスト。費用対効果が見合っているか、目標CPAと比較して判断。 |
ROAS(広告費用対効果) |
売上 ÷ 広告費で算出。効率的な広告運用ができているかを測る全体指標。BtoC系ECでは重視されやすい。 |
改善アクションの具体例
CTRが低い場合
・キャッチコピーや画像など、ファーストビューの訴求内容を再検討
・配信先やリストのターゲティングが広すぎないか確認し、セグメントを絞る
CVRが低い場合
・LP(ランディングページ)の内容・デザイン・CTAボタンの見せ方を改善
・フォーム入力数が多すぎる、ページ離脱が早すぎるなど、UXの問題点を特定して修正
CPAが高い場合
・入札単価や予算配分を見直し、費用を最適化・成果が出ていないユーザーリストや広告セットを一時停止または調整
A/Bテストを回して成果の底上げを狙う
特にリターゲティング広告では、すでに興味を持っているユーザーが対象のため、小さな違いが成果に直結します。
テスト項目 | パターンA | パターンB |
---|---|---|
キャッチコピー |
今だけ10%OFF |
在庫わずか!お早めに! |
画像 |
商品単体写真 |
利用シーンの写真 |
CTA(行動喚起) |
今すぐ購入 |
詳細を見る |
配信時間帯・曜日 |
平日10~18時 |
土日10~20時 |
ポイント
・一度に複数要素を変更しない
・勝ちパターンが出たら検証を重ねて、徐々に改善を積み重ねる
・テストの優先度は「CTR改善 → CVR改善 → CPA最適化」の順で考えると効果的

リターゲティング広告で成果を上げるための最終チェックリスト
リターゲティング広告は「一度設定すれば終わり」の施策ではありません。
タグの設置、リストの精度、クリエイティブの設計、配信管理、効果検証のすべてを適切に運用してこそ、高い成果につながります。
初期設定から改善サイクルまで、漏れなく実施するための確認リストとしてご活用ください。
実践チェックリスト(初期設定〜改善まで
■ タグ設置と動作確認
☐ 各媒体のタグ/ピクセルを正しい位置に設置している(例:全ページ or 特定ページ)
☐ Googleタグマネージャーなどで一元管理している
☐ Google Tag Assistant、Meta Pixel Helperなどで正常動作を確認済み
■ リスト設計・配信条件の整理
☐ サイト訪問者を行動別にリスト分けしている(例:カート離脱・フォーム離脱など)
☐ 広告グループごとにリストを切り替えて配信している
☐ フリークエンシーキャップを設定し、過剰接触を防いでいる
■ クリエイティブの最適化
☐ キャッチコピーとCTAが明確で、行動を促す構成になっている
☐ 媒体に合った広告フォーマット(例:DPA、カルーセル、ストーリーズ)を使用している
☐ モバイル/デスクトップどちらにも対応したビジュアルを用意している
■ 効果測定と改善アクション
☐ CTR、CVR、CPA、ROASなど主要指標を定期的にチェックしている☐ 成果の出ていない広告セット・ユーザーリストは停止または調整している
☐ A/Bテストを継続的に実施し、最適なクリエイティブを選定している
次のステップへ:中小企業でも成果を出す運用体制を
リターゲティング広告は大企業だけのものではありません。
むしろ、限られた広告予算の中で見込み客にだけ絞って配信できるという特性は、中小企業やBtoB事業者にこそ適しています。
まずは、タグの設置やリスト設計など基本的な構造を正しく理解し、媒体ごとの特性を把握しながら改善を繰り返すことが成果への近道です。
このブログで学べたこと
・タグ設置とリスト構築が成果の基盤になる
・リターゲティングは“誰に”“どんなタイミングで”配信するかがポイント
・クリック率・獲得単価・費用対効果を改善するためには、テストと改善を繰り返す運用が不可欠
・中小企業でもリスト精度を高めれば、高い費用対効果を実現できる
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