
レポート
WEB TANOMOOO
【無料ツールも紹介】Google広告・Yahoo!広告・Meta広告を一括で分析する方法

複数の広告媒体を運用する中小企業にとって、データの一元管理は大きな課題です。
本記事では、初心者でも扱える無料ツールを使って、Google広告・Yahoo!広告・Meta広告のデータを一括で分析する方法をわかりやすく解説します。
さらに、API連携やETLツールを活用した効率化のヒントも紹介し、広告レポート作成における課題の解消と、将来的な自動化の可能性まで丁寧にお伝えします。
広告レポートがバラバラだと起こる3つの課題
媒体ごとに形式・指標が異なり比較できない
Web広告を運用する際、Google広告・Yahoo!広告・Meta広告など、媒体ごとに使用するレポート形式や評価指標が異なります。
たとえば、Google広告では「コンバージョン数」「クリック率」「インプレッション数」が主要指標ですが、Meta広告では「リーチ数」「エンゲージメント率」「動画の再生率」など、SNSならではの指標が中心です。
Yahoo!広告では「インプレッションシェア」や「品質インデックス」など独自の項目もあり、数値の意味や計算方法も微妙に異なります。
さらに、広告代理店や制作チーム、経営層など、社内の関係者との共通認識が取りづらくなり、レポートをもとにした戦略会議や施策改善が非効率になるケースも少なくありません。
手作業でのレポート作成は時間と工数がかかる
広告レポートが媒体ごとに分かれていると、それを集約するために多くの手間が発生します。たとえば以下のような作業が、週次・月次単位で繰り返し行われます。
・各媒体の管理画面からCSVをダウンロード
・指標名やフォーマットを統一(例:Metaの「成果」をGoogleの「コンバージョン」に置き換える)
・ExcelやGoogleスプレッドシートで整形・グラフ化
・PowerPointやPDFなどに変換し、会議用資料としてまとめる
これらの作業には、広告運用の初心者でも2〜3時間、複数媒体を扱う場合は1日以上かかることもあります。特に運用担当者が他業務と兼任している場合、分析ではなく「資料作成そのもの」に時間を奪われてしまい、本来の戦略的な改善に手が回らないという、本末転倒な状態になりがちです。
広告レポートの共有性が高まり、意思決定がしやすくなる
広告レポートを媒体ごとに個別で作成している場合、必要な情報を確認するまでに複数の画面を開いたり、担当者の補足説明を受ける手間が発生することがあります。これに対し、データを一元化したレポートを活用すれば、関係者が同じ画面・同じ指標をもとに状況を把握でき、社内での共有が非常にスムーズになります。
たとえば、Looker Studioのような可視化ツールを使えば、日々の広告成果をグラフや表で視覚的に確認でき、毎回の会議用に資料を作り直す必要もなくなります。マーケティングに詳しくない上司や他部門のメンバーとも情報を簡単に共有できるため、社内の意思決定がスピーディになり、余計な説明コストも削減できます。
レポートの整備によって「施策の方向性をその場で判断できる」環境が整い、今後の打ち手を議論する際も、全員が同じ視点で話を進めやすくなります。
多媒体の効果を一括で分析するメリットとは
複数の広告媒体を運用していると、それぞれの成果は個別に確認できても、「結局どの媒体が最も効果的だったのか?」といった全体像を把握するのが難しくなります。媒体ごとにレポートが分かれていると、費用対効果の比較や予算配分の見直しも感覚的な判断になりがちです。
このような場面で役立つのが、Google広告・Yahoo!広告・Meta広告などの広告データを一つのレポートに統合して管理する方法です。全媒体の指標をまとめて可視化することで、施策の全体像を一目で把握でき、日々のレポート確認や社内共有も格段に効率化されます。
広告ごとの成果や費用を並列に見られるようになれば、媒体間でのKPI比較やリソース配分の調整もしやすくなります。また、定例会議やチーム内の確認時にも、全員が同じデータに基づいて議論できるため、施策改善のスピードや納得感も高まります。
Google広告・Yahoo!広告・Meta広告の可視化で全体像がつかめる
Google広告、Yahoo!広告、Meta広告を併用している場合、それぞれの成果は確認できても「全体としてどれだけ成果が出ているのか」を把握するのは簡単ではありません。媒体ごとに画面や指標が異なり、結果をまとめて比較するには手間がかかるため、全体的なパフォーマンスを見落としてしまう可能性もあります。
そのような課題を解消する方法として、多媒体のデータを1つのレポートに統合する仕組みがあります。たとえば、Google広告で月間100件のコンバージョン、Meta広告で50件、Yahoo!広告で70件の成果があった場合、統合レポートを使えば合計220件という全体成果が一目で確認できます。
さらに、各媒体の費用と成果を横断的に確認できるため、「どこにどれだけ投資して、どのくらい効果があったか」が明確になり、予算配分や運用戦略の見直しがしやすくなります。施策を数字で客観的に把握できることは、社内報告や改善提案の場でも大きな武器になります。
KPIを共通化することで比較・改善がしやすい
広告媒体ごとに指標の呼び方や計算方法が異なるため、データをそのまま比較しようとすると、正しい判断が難しくなります。そこで役立つのが、各媒体のデータを共通のKPIで整理・管理するという方法です。
たとえば、「クリック単価(CPC)」「コンバージョン率(CVR)」「費用対効果(ROAS)」など、マーケティングでよく使われる指標を基準にそろえておけば、施策ごとの効果を横並びで比較できるようになります。これにより、広告費をどこに重点的に投資するべきか、改善すべきポイントはどこかを可視化できます。
また、過去の実績データと比較したり、前年同月と推移を見比べたりといった分析も容易になり、レポートに基づく改善提案や次回施策の立案もスムーズになります。
社内共有・上長報告がスムーズにできる
広告データを一つのレポートにまとめて可視化することで、社内での情報共有が圧倒的に効率化されます。とくにマーケティング部門以外のメンバーや上長に対しても、広告の成果を視覚的にわかりやすく伝えることができるため、説明や報告の負担を大幅に軽減できます。
Looker Studioなどの可視化ツールを使えば、主要なKPIや進捗をグラフや数値で整理して表示でき、定例会や経営会議での資料作成も不要になります。ダッシュボードは自動で最新データに更新されるため、「今どの施策が成果を出しているか」をリアルタイムで把握できます。
共有のしやすさは、社内の意思決定を早めるだけでなく、関係部署との連携や改善提案の質も高めてくれます。「なんとなく良さそう」ではなく、「数字で成果を伝える」ことで、組織内での理解や納得を得やすくなり、予算やリソースの獲得にもつながる好循環が生まれます。
初心者でも使える!無料で始められる広告レポートツール
広告レポートの一元化を始めたいけれど、「ツールの使い方が難しそう」と感じる方も多いかもしれません。しかし、無料で使えるシンプルなツールを活用すれば、専門的な知識がなくても手軽にデータの可視化を始められます。
中でも、Googleが提供する「Looker Studio(旧Googleデータポータル)」は、初心者にも扱いやすい無料のBIツールです。Google広告はもちろん、GoogleスプレッドシートやCSVファイルをデータソースとして使えるため、複数媒体のデータを一元的に管理することができます。
また、ドラッグ&ドロップの操作で簡単にグラフや表を作成できるため、レポート作成のハードルがぐっと下がります。テンプレートも充実しており、初めての方でもゼロから作り込む必要はありません。日々の運用を効率化したい中小企業にとって、手軽で実用的な選択肢といえるでしょう。
Google Looker Studio(旧:データポータル)
Googleが提供するLooker Studio(旧名:Googleデータポータル)は、初心者でも扱いやすい無料のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールです。Google広告との連携はもちろん、GoogleスプレッドシートやCSVファイルもデータソースとして利用できるため、さまざまな形式の広告データを一つのレポートにまとめることが可能です。
このツールの主な特徴は以下の通りです。
・ドラッグ&ドロップ操作で、直感的にグラフや表を作成できる
・Google広告などとリアルタイムで自動連携し、常に最新のデータを表示可能
・豊富なテンプレートが用意されており、ゼロから作らずにレポート作成を始められる
たとえば、Google広告とYahoo!広告のレポートをGoogleスプレッドシート経由で統合し、Looker Studioで一元表示すれば、毎回グラフを作り直す手間を省くことができます。これにより、担当者の作業時間を大幅に削減し、より戦略的な分析に時間を使えるようになります。
Yahoo!広告のレポート連携にはCSV+スプレッドシートが有効
Yahoo!広告は、Looker Studioと直接連携する公式コネクタが現時点では存在しません。そのため、CSVエクスポートとGoogleスプレッドシートを活用する方法が、現実的かつ無料で実行しやすい手段となります。
基本的な手順は以下の通りです。
・Yahoo!広告の管理画面から、必要なデータをCSV形式でエクスポート
・エクスポートしたCSVをGoogleスプレッドシートに取り込み、列名やフォーマットを整える
・整えたスプレッドシートをLooker Studioに接続し、レポートのデータソースとして活用
この方法は一見手間に感じるかもしれませんが、仕組みを一度整えてしまえば、定期的な更新も比較的スムーズです。広告代理店に依頼せず、社内の運用で低コストにレポートを管理したい企業にとっては非常に有効です。
スプレッドシートをベースにすることで、社内でのカスタマイズや共有もしやすくなり、チームでの情報連携や意思決定にも役立ちます。
Meta広告のデータもLooker Studioに連携可能(無料トライアル対応)
Meta(Facebook/Instagram)広告についても、Looker Studioと連携する方法があります。中でも代表的なのが、「Data Bloo」というLooker Studio向けのコネクタサービスです。無料トライアルを提供しており、初期導入時に使い勝手を確認できます。
Data Blooの特徴:
・Meta広告(Facebook/Instagram)の主要データ(クリック数、費用、コンバージョン数など)を取得可能
・Looker Studio用のテンプレートがあらかじめ用意されており、初期設定がスムーズ
・複数アカウント対応で、支店やキャンペーン単位での分析にも対応可能
設定はシンプルで、Meta広告アカウントを認証し、対象キャンペーンを選択するだけで連携が完了します。これにより、日々の広告データが自動的に取得・更新され、最新のレポートを常に表示できる環境が整います。
また、Googleスプレッドシートを経由した連携も可能です。たとえば、Adveronixなどの無料アドオンを利用すれば、Meta広告のCSVデータをスプレッドシートに自動取り込みでき、Looker Studioと連携させることもできます。
※注意:Data Blooは無料ツールではなく、有料サブスクリプション(月額9ドル〜)のサービスです。無料トライアル終了後は有料プランへの切り替えが必要です(2025年5月時点)。
(Data Bloo概要):https://databloo.com/無料ツールでの一元レポート作成ステップ【初心者向け】
広告データを一元管理するためには、ツールを導入するだけでなく、「どう使いこなすか」も重要です。ここでは、初心者でも実践できる無料ツール「Looker Studio」を使ったレポート作成の手順を、ステップごとにわかりやすく紹介します。
媒体ごとの特性に応じた連携方法や、実際のレポート作成の流れを知っておくことで、導入後の運用もスムーズになります。複雑な操作や専門知識は不要なので、初めてレポートを作る方でも安心して取り組めます。
一度仕組みを構築してしまえば、毎回の手作業を大幅に削減でき、広告データの確認や社内報告の効率化につながります。
Step1|各広告アカウントのデータ準備(Google, Yahoo, Meta)
まず最初に行うべきは、Google広告、Yahoo!広告、Meta広告それぞれからレポートに必要なデータを取得できるように準備することです。媒体によって連携方法が異なるため、それぞれの特性に合わせた設定が必要です。
・Google広告:Looker Studioと自動連携が可能。Googleアカウントでログインし、広告アカウントを認証するだけでリアルタイムのデータ取得が可能になります。
・Yahoo!広告:管理画面からCSVをエクスポートし、Googleスプレッドシートに取り込んで整形する方法が一般的です。その後、スプレッドシートをLooker Studioに接続して使用します。
・Meta広告:Data Blooなどの外部コネクタを利用することで、Looker Studioとの連携が可能です。また、CSVをGoogleスプレッドシート経由で取り込み、同様に接続する方法もあります。
この準備段階で、「どの指標を使用するか(例:インプレッション数、クリック数、CV数、費用など)」を決めておくと、レポート設計がスムーズになります。
Step2|Looker Studioでの新規レポート作成
データの準備ができたら、次はLooker Studio上で新しいレポートを作成します。操作はシンプルで、初心者でも数ステップで基本的なダッシュボードを構築できます。
手順は以下の通りです。
・Looker Studioにアクセスし、「空のレポートを作成」を選択
・画面上部の「データを追加」をクリック
・Google広告やGoogleスプレッドシートなど、接続したいデータソースを選択
・認証・アカウント選択のステップを完了し、データ連携を設定
テンプレートを使えば、ゼロから作り込む必要はありません。広告レポート用に最適化されたデザインが多数用意されており、目的に応じて選ぶだけで見栄えの良いレポートが完成します。
初回は操作に戸惑うことがあるかもしれませんが、慣れればドラッグ&ドロップで直感的に編集できるようになり、作業時間の短縮にもつながります。
Step3|コネクタやCSVインポートでのデータ統合手順
媒体ごとにデータの取得方法が異なる場合でも、Googleスプレッドシートをハブとして使うことで、Looker Studio上で統合的に管理することが可能です。
具体的な流れは以下のようになります。
・Yahoo!広告やMeta広告のデータを定期的にCSVで出力
・Googleスプレッドシートにインポートし、列名やデータ形式を整える
・Google広告と形式をそろえて、共通のKPIで見られるように統一
・Looker Studioで各スプレッドシートをデータソースとして接続し、媒体別のタブやグラフで整理
このようにスプレッドシートを中継地点にすることで、データ形式のばらつきを吸収しやすくなり、媒体ごとの指標も同一レポート内で比較しやすくなります。
また、Googleスプレッドシートに「更新日」や「媒体名」などの列を加えておけば、Looker Studio側でのフィルタリングや期間比較も簡単に設定できます。初期設定に少し時間はかかりますが、その後の作業効率は大幅に向上します。
Step4|KPI別にグラフや表を設計するコツ
レポートは単にデータを並べるだけでなく、「意思決定に活かせる」構成にすることが大切です。 特にKPI(重要業績評価指標)ごとに視覚的に整理することで、改善点の発見や方針決定がしやすくなります。
代表的な可視化方法の例は以下の通りです。
・コンバージョン数・CPA:媒体ごとに成果を比較する「棒グラフ」
・クリック率・表示回数:時間軸での変化を確認できる「折れ線グラフ」
・広告費の構成比:全体バランスを把握しやすい「円グラフ」
これらのグラフを活用することで、どの媒体・施策が効果的かを一目で把握でき、予算の見直しや改善ポイントの議論もスムーズになります。
また、社内共有や上長報告向けには、「主要KPIを集約したダッシュボード」をレポートの冒頭に配置するのが効果的です。数値だけでなく、視覚的なインパクトを持たせることで、報告資料としても説得力が増します。
提案事例|中小企業が広告データを一元化したケース
「うちは中小企業だから、複雑な仕組みまでは必要ない」と感じる方も多いかもしれません。しかし実際には、広告データの一元化は中小企業こそ大きなメリットを得やすい施策です。ここでは、実際の運用に近い事例を2つ紹介しながら、その利便性をご紹介します。
1つ目は、飲食チェーンでの活用例。複数店舗を展開する企業で、Google広告とMeta広告を使い分けながら集客を行っていました。レポートは媒体ごとに分かれており、効果の全体像がつかみにくいという課題がありましたが、Looker Studioでの統合レポートを導入したことで、週次で自動更新されるダッシュボードが完成。店舗別・媒体別の成果をすぐに確認できるようになり、本部会議での報告もスムーズになりました。
飲食チェーン店|Google広告+Meta広告を週次管理
都内を中心に複数店舗を展開する飲食チェーンA社では、Google広告による店舗名検索対策と、Meta広告によるキャンペーン訴求を並行して実施していました。これまでは、媒体ごとに別々の管理画面で成果を確認し、全体の効果を感覚的に判断していたため、会議での報告や店舗別の分析に時間がかかる状況でした。
そこで導入したのが、Looker Studioを活用した統合ダッシュボードです。
導入内容:
・Google広告はLooker StudioとAPI連携し、リアルタイムで成果を取得
・Meta広告は、Data Blooを通じて主要KPI(費用・クリック・コンバージョン)を自動取得
・媒体別・店舗別の成果を一つのダッシュボードで可視化
導入後の成果:
・各店舗の効果が一目で比較でき、次月の広告予算配分の見直しに活用
・本部会議での説明がグラフベースになり、マーケティングに詳しくない部門にも好評
・担当者1名でも、週次レポートが約10分で作成可能に
数値だけでなく「見せ方」も工夫したことで、社内理解や部門間の連携もスムーズになり、PDCAのスピードアップに貢献しました。
不動産業|Yahoo!広告のCVレポートをLooker Studioで可視化
地方都市で新築住宅を販売している不動産会社B社では、Yahoo!広告を活用して住宅購入を検討するユーザー向けに検索広告を配信していました。これまでは、Yahoo!広告の管理画面からCSVをダウンロードし、Excelで加工した上で営業会議用の資料を作成していましたが、毎回の作業に半日以上かかる上、属人的な運用に課題を感じていました。
そこで提案したのが、GoogleスプレッドシートとLooker Studioを組み合わせた、社内でも使いやすいレポートの自動化フローです。
導入内容:
・Yahoo!広告のCSVデータをGoogleスプレッドシートに定期インポート
・指標名をGoogle広告と揃えて整形し、Looker Studioに接続
・月間のコンバージョン数、クリック単価、キャンペーン別成果をダッシュボード化
導入後の成果:
・レポート作成にかかる時間を約70%削減
・営業部門・経営層のどちらにも分かりやすい形式で共有可能に
・成果の良いキャンペーンを迅速に見極め、次の打ち手に反映できる体制を構築
誰が作っても同じフォーマットで表示されるため、情報のばらつきがなくなり、社内の数字に対する信頼性も向上しました。
2025年以降の広告レポート作成トレンドと自動化の可能性
広告運用において「成果の見える化」はもはや前提となっており、今後はそのデータ取得から可視化までの工程をどこまで自動化できるかが、運用の質を大きく左右します。
これまではレポート作成の多くを手作業に頼っていた企業でも、API連携やETL(Extract, Transform, Load)ツールの活用によって、日々の更新作業を自動化し、正確かつ迅速な意思決定を支援する流れが加速しています。
さらに、広告計測環境の変化、特にCookieレス時代の到来によって、従来の手法に依存しない新たな指標設計やデータ連携の重要性も高まっています。
この章では、こうした技術・環境の変化を踏まえ、広告レポートの進化とその先にある「レポートの価値の再定義」について、実用的な観点から紹介していきます。
API連携・ETLツール導入によるさらなる効率化
日々の広告データの更新や加工を手作業で行うには限界があります。そこで注目されているのが、**API連携やETLツール(Extract, Transform, Load)**を活用した自動化の仕組みです。これらを導入することで、複数の広告媒体からデータを自動的に取得・整形・蓄積でき、手間や人的ミスを大幅に削減できます。
代表的な日本国内のETLツールには以下のようなものがあります。
・Trocco(トロッコ)|primeNumber社
大手企業にも導入される国産ETL。Google広告やFacebook広告など幅広いAPIに対応し、BigQueryやLooker Studioとの連携も可能。日本語UIと国内サポートも充実。
・CData Sync|CData Software Japan
オンプレミス・クラウド両対応。Google広告やYahoo!広告の連携に加え、Salesforceや各種DBとの連携にも強みがある。
・DATASUITE|ウイングアーク1st社
帳票・BI製品で知られる同社の連携基盤。CRMや営業データと広告を組み合わせた統合分析に適しており、中規模以上の企業に好評。
これらのツールは月額5万〜20万円前後が相場ですが、レポート作成にかかる人件費やミスのリスク、更新の手間を考慮すれば、一定規模以上の企業では十分な投資対効果が見込めます。
GUIベースの設計画面が主流で、SQLの知識がなくても設定できるものが多いため、マーケティング担当者自身が運用できる点も、導入のハードルを下げるポイントです。Cookieレス時代のレポート統合に求められる視点
2025年以降、Google ChromeをはじめとするブラウザがサードパーティCookieの廃止を本格化させることで、広告の計測手法やレポート設計にも大きな変化が求められるようになります。従来のリマーケティングやトラッキングに頼った計測が難しくなる中、Cookieに依存しないレポート設計とデータ活用の視点がより重要になります。
今後の広告レポートで注目すべき視点は以下の通りです。
・ファーストパーティデータとの統合分析
自社サイトで取得した行動履歴や問い合わせデータと、広告成果を組み合わせた「ユーザー起点の分析」が不可欠になります。
・コンテキスト指標の活用
配信面・時間帯・デバイスなど、広告が表示された環境を基にしたパフォーマンス分析が主流に。Cookieに依存せず、メディアの文脈を重視した効果測定が重要になります。
・エンゲージメント・ブランドリフト指標の導入
クリック数やCVだけでなく、広告想起・好意度・動画再生完了率など、「ユーザーの態度変容」を測る新たなKPIが注目されています。
中小企業でも始めやすいレポート自動化の未来像
レポートの自動化と聞くと、「大企業向けの高度な仕組み」と感じる方も多いかもしれません。しかし最近では、中小企業でも無理なく始められる選択肢が増えてきています。
たとえば、以下のような手法なら専門知識がなくても導入可能です。
・Googleスプレッドシート × App Script:特定のタイミングで広告データを自動取得・更新できる無料のスクリプト活用法。
・Looker Studio × スケジュール更新機能:定期的にレポートを自動更新する設定で、都度手作業を不要に。
・無料ETLツールのトライアル活用:Fivetranなど、一部機能に無料枠のあるツールを短期的に使って自動化の効果を検証。
多くの企業では、まずは無料ツールでレポート運用を始め、運用に慣れてきた段階でETLツールの本格導入を検討するという段階的なアプローチを採用しています。
今後は、広告運用とレポート設計の基本的な自動化スキルが、「社内マーケティング人材の標準スキル」として求められる時代になるかもしれません。早い段階から仕組みを整えておくことで、継続的な改善やリソース最適化にもつながります。
WEB広告運用ならWEBTANOMOOO(ウエブタノモー)

もし広告代理店への依頼を検討されているなら、ぜひ私たちWEBタノモーにお任せください。
WEBタノモーではMETA、Google、Yahoo!を一括でルッカースタジオに繋いだレポートをご提供させていただいております。
・クライアント様のアカウントで運用推奨
・広告費が多くなるほどお得なプラン
・URLで一括管理のオンラインレポート
このように、初めてのWEB広告運用でも安心して初めていただけるような環境を整えております。
ニーズに沿ったラLPやHPの制作・動画制作、バナー制作もおこなっていますので、とにかく任せたい方はぜひお気軽にご相談ください。